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チャム族のチャンパ王国の遺跡

■チャム族の部落を訪ねて

 ベトナムには現在54の少数民族が暮しています。その中で、チャム族は人口13万人と、比較的大きなグループに属します。その多くはベトナム中部に暮しています。またベトナム南部にもいくつかのコミュニティーがあります。

 チャム族の祖先は、古くからベトナム中部にチャンパ王国として栄えてきた歴史があります。そのころのベトナムは、北部に現在のベトナム、中部にチャンパ王国、南部にはクメール族が割拠する地域でした。15世紀にベトナムの黎王朝が現在のベトナムほぼ全土を統一し、王国はなくなりました。その後、現在のように各地にコミュニティーを作って暮すようになったのです。

 そんなチャンパ王国の末裔が住むチャム族の部落に2003年秋たずねて行きました。



 中部ベトナムのチャム族の部落へは、国道1号線をチャーターした車でサイゴンからひたすら北上することになります。
早朝に出発して昼過ぎに到着しました。

 ホテルにチェックインしてから遅い昼食をとり、チャムの部落に着いたのは夕方に近いころになりました。

 チャム族にはいくつかの伝統的な工芸品があって、ベトナムではよく知られているうえ、実用品としても広く使われています。それは、素焼きの壺と手織りの布地です。

 もともと、素焼きの壺はチャム族が食器や食物の貯蔵のために使っていたものですが、部落での祭事などに使うために独特のヒンズー様式の飾り物なども作られていました。

 手織りの布地も、本来チャム族の衣装として着る服を作るために織られていたものです。

 チャム族をはじめとして、少数民族の女性たちは子供のころから、手織りの技術を教えられます。そして織り上げられた布は自分の家で使われたり、市場で売られたりすることになります。また、彼らは一度作った衣装を長く使うため、一生に3着程度しか衣装を作らないということです。だから必然的に、強くしなやかな布地を織ることが必要になり、技術が発達して行ったのだと思われます。

 さて、そんな彼らの部落で、素焼きの工房を訪ねてみました。



 部落の中には小さな川が流れていて、夕方の沐浴をおこなっているところにぶつかりました。ヒンズーの文化が今もこの部落には流れていました。

 道で素焼きの工房を訪ねると、いくつかの場所を教えてくれましたが、その中でも人気のある場所をいくつか訪れることにしました。

 ろくろを使って粘土を整形するのですが、陶磁器と違ってうわぐすりを使って彩色しない分、形のデザインが勝負どころになるわけです。
 見ていると、かなりなれた手で粘土をこねていますが、日本の大きな工場と違って、一品一品の企画があるわけでもないので、こねあがった壺や像はかなりまちまちなサイズや形になっています。

 その上、素焼きで焼き上げた表面の土色や焦げ目も、同じ種類のものでも一品ごとに違った表情になって出来上がっています。まあ、それがまたこの素焼きの面白さと言えるのですが…。


 翌日は、手織り布の工房を訪ねました。
 

 チャム族の手織り布工房は部落のあちこちにありますが、輸出用の商品として使えるものを製作できる工房は、非常に限られています。
 サイゴンの知人のつてで、そんな工房の家にお邪魔することが出来ました。

 工房の支配人は女性でした。というか、チャム族は女系家族で、一家の長は女性がなるのが普通なのです。

 チャム族の女性は15歳くらいになると、機織の仕事を始めるそうです。はたを織っている女性に、「織り方を間違えることなんかありませんか?」と聞いたところ、そんなことはありませんと言っていましたが、その後で「間違えても、手織りだからすぐに直せます」と答えた事を考えると、やっぱりときどきあるんだろうと思います。

 毎日朝早くから夜遅くまではたを織って、1m織るのに1週間もかかるのだそうです。見ていると、確かに、横糸を単純にこちらから向こうへ通すだけではなく、織り模様をつけるために縦糸をひっぱている紐を何度も入れ替えながら織ってゆくのを見ると、確かに手間と時間がかかると思われました。

 工房でいろいろ話をしていると、工房の支配人のご主人が奥から出てきて、お茶を勧めてくれました。チャム族の男性はゆったりとしているのです。

 その後昼過ぎまで部落をあちこち見学してからサイゴンへ帰りました。




チャム族の子供たちは元気一杯でした。





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